RE:LORE™から学ぶ『クラウドファンディング』の成功と挫折
vol.4 必勝戦略
RE:LORE™が考えるクラウドファンディングの必勝戦略とは!?
①下準備の徹底・・・vol.4参照
②成功の方程式を構成する3要素をブラッシュアップする・・・vol.4参照
③ランチェスター戦略・・・vol.5参照
④実践テクニック・・・vol.6参照
「必勝戦略」と記載しましたが、簡単ではありません。どれも地道な作業であり、絶え間ぬ努力が必要です。そのためすべての条件を満たしたプロジェクトは、高確率で成功すると確信しています。
①下準備の徹底
まず自分が出品する商品と同じカテゴリーの商品の過去実績及び、現在公開中のプロジェクトを隈なくチェックしてください。RE:LORE™であればファッションカテゴリーの商品、撥水関連の商品、アウトドア用品、ガジェットなどを徹底的にチェックしました。
この分析によりそのカテゴリー特有の傾向が見えてくると思います。
『傾向分析結果の一例』
・軽量・薄手で暖かいアウターに対する需要が高い。(着太りしたくない。)
・最先端技術を用いた保温性の高い素材に注目している人が多い。
・エアロゲルやグラフェンなど新素材を使用したOUTERの人気が高い。
・小型バッテリーを使用した発熱システムを利用したOUTERは飽和状態。→一般販売も多くされている。
・児島デニムなどコアなデニムファンが一定数存在する。
・パーカーのニーズが高い。
・環境配慮の意識が高く、サステナブルに関心が高い。
・男性ユーザーの方が多い。(Makuake)
・撥水商品に対する需要は高いが、ライバルも多く圧倒的な差別化できなければ失敗する。
・レザーやカシミヤなど高級素材に対する需要が一定数存在する。
・コンパクトでミニマルな財布のプロジェクトが多く、需要が高い。(手ぶら需要がある。)
・リモート会議専用ウエアなど、利用するシーンを特定した商品の需要がある。
・コンパクト・軽量・快適を兼ね備えたアイテムの需要が高い。
・品質より価格を優先した商品は人気が低い。
・エコバッグなど環境配慮商品の増加
・マスクなどコロナ対策商品の増加(すでにマスクは飽和状態)
これだけでもプロジェクトの方向性を決めるのに役立つ情報として大いに活用できますが、さらにランキング上位のプロジェクトを日々チェックすることもオススメします。まったく違う分野の商品だったとしても、ランキング上位のプロジェクトからの学びは多いです。商品の効果的な紹介方法、写真の撮り方、動画の作り方、LPの構成、アフターサービス、SNS戦略など参考になる情報がたくさんあります。逆に支援が集まらなかったプロジェクトに関しても研究する価値があります。なぜ支援を集めることができなかったのかを考えることで、対策を講じられます。
こうして集めた情報を元に、『他社製品と比べて差別化できているか!?』を徹底的に検証し、不足している部分は納得するまで改善を繰り返します。言うまでもありませんが、クラファンにおいて『差別化』は最も重要です!
『差別化を構成する要素』
・新しさ
・面白さ
・役立つ機能性
・デザイン
・信頼性
・再現性(手軽さ、使いやすさ)
差別化する要素は、上記だけではないと思います。自分なりに差別化できる要素を考え出し、それらを複数掛け合わせることで唯一無二の差別化商品に近づきます。差別化の要素は必ず複数掛け合わせるようにしてください。複数にすることで、シナジー効果が生まれ、掛け算式に付加価値が上がります。そしてその商品を丁寧にアップデートし続けることで、『お客様に感動を与える商品』に仕上げることができます。
せっかくやるのであれば、お客様に感動していただき、信頼を得てファンになってもらえるような素敵な商品を創りたいと日々切磋琢磨しています。
②成功の方程式を構成する3要素をブラッシュアップする
『成功の方程式』 =『良い商品』×『情熱』×『伝える力』
『良い商品』
品質が良いことは当然のことであり、それだけでご支援が集まる(=売れる)と考えていては失敗してしまいます。
では『良い商品』を構成する要素は何でしょうか?
①圧倒的な高品質(クオリティファースト)
②需要がある
③市場に存在しない(圧倒的な差別化)
④価格優位性がある(商品価値 > 価格/お値段以上の商品価値)
⑤デザインがシンプルで洗練されている(Form follows function)
私はこの5つの要素が揃った商品を目指して、日々商品開発に取り組んでいます。非常に難しいのは②と③の両立です。
『有りそうで、無いモノ』
これだけモノが溢れている現代において、需要があるのにマーケットに存在しないモノを考えることは至難の技です。その判断ツールとして「有りそうで、無いモノ」という独自の指標を使っています。有りそうと感じるのは、一定の需要があることを意味し、無いモノとはそのままですが、マーケットに存在しないことを意味します。これは同時に存在しなければいけません。有りそうと感じる商品は、コモディティ化された競争力のない商品のことを指します。逆に無いモノだけを追求し、奇抜な商品になってしまっては、存在もしないが、需要もない本末転倒な商品になってしまいます。出来上がった商品を見て、「有りそうで、無いモノ」と感じるか試してみてください。
「有りそうで、無いモノ」を考え出すにはコツがあります。それは常に自分の好きな分野のプロダクトについて考え続けることです。私であれば洋服です。洋服やスニーカーが大好きなので、ずっと考えていても苦ではありません。むしろ毎日楽しんでいます。ネガティブに仕事に取り組んでいるとクリエイティブは生まれず、生産性も低くなります。つまりポジティブに仕事に取り組んでいるヒトが最強ということです。そのため自分の好きな分野をまず見極めることが、一見遠回りにも感じますが、結果として一番重要であり近道だと考えています。例えば釣りが好きなヒトであれば、「釣り道具を効率的に収納するにはこういう機能が洋服についていれば良いんだけど、なかなか無いんだよな」など釣りをしながら思うこと(=不満)があると思います。そういった『不満を解決する商品』を創り出すことが、より良い商品開発の第一歩です。
そして新商品開発でよく起きうる間違いが以下の考え方です。
『商品の機能性(その商品のできること)』=『実際にお客様が使う機能』
『商品のできること』≠『お客様が実際に使う機能』
という認識でいなければいけません。
商品の機能性はあくまで作り手側の考えであり、お客様に押し付けるモノではありません。商品の機能性をお客様が実際にどのように使うかは未知であると考えるべきです。
例えば、「THE WISDOM DOWN PARKA」は背中の大型ポケットにノートPCを収納できる機能を搭載しています。当然作り手としてはノートPCを入れることを想定してポケットの強度を高める工夫を施しています。しかしお客様によっては着替え(衣類)を入れたり、逆に何も入れなかったりと使い方は十人十色です。ノートPCに限定するのであれば、クッションなどPCを守るような資材を入れてポケットに厚みを出した方が機能的には良いかもしれません。しかしポケットに厚みを出すと何も入れていない状態においても、背中に違和感を感じてしまう可能性があります。そのため実際の着用シーンとして一番多いと思われる何も入れていない時の着心地の良さを最優先とし、PCの重さに耐えられる強度は保ちつつ、薄く柔らかい風合いを重視して仕上げています。このような視点を持って商品開発を行うことで、『商品の本質』を見つめ直すことができ、細かい点まで見落とさずに改善することができます。この地道な作業をポジティブにできるヒトが、お客様から求められる『より良い商品』を創り出すことができると考えています。
『情熱』
モノが溢れている現代において、単に高品質な商品というだけでは売れなくなってきています。例えば、冷却機能に優れた高性能冷蔵庫が新発売と言われても、すぐに買いたいと思うヒトは少ないのではないでしょうか。
「高性能だから」、「安いから」という単純な理由で、購入するヒトは少なくなってきています。特に新しいモノ、珍しいモノ、最先端のモノを求めるクラファンユーザーはその傾向が強いです。同じ「高性能冷蔵庫」だとしても「IoT技術を搭載したAI冷蔵庫」であれば、新しいニーズがあるでしょう。
モノが不足している時代においては、安いから必要以上にたくさん買ってしまうという習慣があったと思います。しかし現代は欲しいと思ってもすぐには買わず、スマホ片手に比較検証し、他と比べて何らかのメリットがないと買わないことも多いのではないでしょうか。
ユニクロやニトリが売れているのは、他社を圧倒する安さと高品質を両立しているからだと疑う余地もありません。しかしサステナブルの観点から今までのような大量生産、大量廃棄のビジネスモデルは早急に見直す必要があります。
RE:LORE™の影響力はまだまだ小さいですが、創業当時からサステナブルな社会に貢献できるように長く愛用できる高品質なプロダクトの最適生産(必要な分だけ創る)に取り組んでいます。モノを大切にする習慣(もったいない)を今一度見直す良い機会ではないでしょうか。
上記のような時代を背景に「モノ消費」から「コト消費」に消費者のマインドは移行しています。つまり作り手の「情熱」や「ストーリー」を語るような「生きたプロダクト」でないと消費者マインドを動かせないということです。ヒトは理論では動かず、感情で動きます。つまり感情に訴えるような「情熱のこもったプロダクト」を創り出すことが重要です。
そのためには前述したように、好きな分野の商品を開発することが重要です。好きというだけでヒトは、その分野に興味がないヒトの何倍もの力を発揮できます。鉄道マニアの子どもが大人でも覚えられないような鉄道に関する詳しい情報を自然に覚えてしまうのと同じ原理です。好きだからこそ、自発的に毎日考えることができます。
自発的に毎日考えること、これこそ『情熱』だと思います。
RE:LORE™であれば、より良い洋服を創るにはどういう機能、デザイン、素材などが最適か毎日考えています。その毎日考えて、試行錯誤を繰り返したプロダクトが、実際の商品として完成した時は、感動してずっと着たまま過ごすことも多いです。そしてその商品をご購入いただいたお客様からお褒めのお言葉をいただいた時の達成感は、何ものにも変え難い喜びにつながります。
情熱の好循環
好きなこと(情熱を注げること)を見つける
→ 好きなことを毎日考える(情熱を注ぐ)
→ 好きなことに精通したこだわりのプロダクトを創る
→ 好きなこと(情熱)を形にした『良い商品』を販売する
→ お客様に『情熱』が伝わる
→ お客様の感動につながり、感謝をいただく
→ 作り手のやる気につながる
→ 次の商品開発や顧客サービス向上の原動力になる
このプラスのサイクルはどんどん大きくなり、さらなる『良い商品』開発に繋がります。プラス(ポジティブ)な行動はさらなるプラス(成果)につながり、逆にマイナス(ネガティブ)な行動は、どんどん事態を悪化させます。そのためポジティブに考えられる環境づくりは、『より良い商品』開発に必須です。自分に合った良い環境を整えて、仕事に対してポジティブに取り組めるようにしてください。
時間は全員に平等に与えられていますが、それをどのように使うかはそのヒト次第です。自分の好きなことに有効に時間を使った方が、充実した人生になるのではないでしょうか。自分の夢を叶えるきっかけとして、クラウドファンディングに挑戦してみるのも素敵だと思います。
『伝える力』
どれだけ『情熱』を注いで、『良い商品』を創ったとしてもお客様に認知してもらえなければ「存在しないモノ」と同義になってしまいます。
そうならないためには、お客様に『伝える力』が非常に重要です。クラファンを利用するので、プラットフォームは整っています。あとはその中でどのように自社商品を目立たせるのかが、ポイントとなってきます。
まず最も重要なのは良いLP(ランディングページ)の作成です。お客様はこのLPを見て応援購入するかどうか意思決定します。
では良いLPとは具体的にどういったモノでしょうか?
a. 作り手の情熱がお客様に心地よく伝わる内容
b. わかりやすく整理されている
c. 誤字脱字がない
a. 情熱がお客様に心地よく伝わるようなLPとは
一方的に作り手の感情を伝えてしまっては良くないと思います。それでは情報の受け手に不快感を与えてしまう恐れがあります。大切なのは受け手に「共感」を持ってもらえる内容にすることです。さらに受け手の「不満・不安を解決する」ような内容であることが重要です。
具体的にRE:LORE™のダウンジャケットを例にとってご説明致します。私は手荷物をなくし、できるだけ手ぶらでいたいと考えています。私の周りにもそういう考えのヒトは多く、特に男性は女性に比べて手荷物を少なくしたいという願望が強い傾向にあります。この願望(=不満の解決)のために開発したのが、『THE WISDOM DOWN PARKA』です。アウターの究極進化、「最強の手ぶらダウンジャケット」としてリリースしました。手ぶらを可能にする大小14個のポケットを搭載し、小さいものとしてはAirPodsから、大きいものでノートPCまで収納可能です。この収納機能だけでもかなり差別化した商品ですが、圧倒的に差別化するためさらに機能性、デザイン性、品質、価格、品質保証など複数のポイントで差別化を強化しました。複数の差別化は掛け算式にその商品の付加価値を向上してくれます。100分の一の差別化が3回掛け合わされば、1,000,000分の一になるという考え方です。
お客様から共感を得るプロセス
まず「手ぶら」というフレーズで、お客様の興味を引きます。(共感の第一段階)そこから超撥水、日本製の表地、肌触りの良いポケット、シンプルで洗練されたデザイン、700FILL POWERの高品質プレミアムダウン、一年間の品質保証など事実に基づいた複数のメリットで、お客様の関心を引き寄せより深く共感を得ます。(共感の第二段階)共感の第一段階で最も重要なのは、プロジェクト名、サムネの写真&キャプションです。この点については「④実践テクニック」で改めてご説明致します。共感の第二段階で最も重要な点は、客観的な事実がいかにお客様にとってのメリットになるかを丁寧かつ具体例を交えて説明することです。この第二段階までお客様の共感を得られれば、コンバージョンは目の前です。
分かりやすいLPを構成するための具体的な対策
LPに記載する写真はできるだけ左右対称の整ったものが良いです。整った綺麗な写真はそれだけで商品価値を高めてくれます。逆に写真が雑だと商品自体にもマイナスの影響を及ぼします。また特にお客様に伝えたい機能や、写真ではわかりにくい機能は動画を使って直感的にわかるように工夫した方が良いです。ここで注意すべきは、動画がYoutubeの埋め込みになってしまうという点です。つまりご支援者様は、動画のサムネをクリックし、読み込むまで待つ必要があります。そのため動画を観てくれる方は、かなり興味を持ってくれている方に限られます。一方GIF動画であれば、少し画質は落ちますがLP上で常に動いた状態で表示されるので、目に留まりやすいです。簡単な機能説明であれば、お客様を待たせないGIF動画を使った方が効果的なことが多いです。
b. わかりやすく整理されているLPとは
まずRE:LORE™の1回目と3回目のプロジェクトのLPを比較してみてください。あきらかに3回目の方が見やすくなっていると思います。これは1回目、2回目のLPを何度も見直し、自分で課題を見つけ3回目のプロジェクトではそれらを一つずつ改善していった結果です。そして最も違う点は、商品を1点に絞ったことです。1回目のプロジェクトは合計5種類の商品をリターンに組み込んだため、一つ一つに対する説明がバラバラになってしまい、結果的に分かりづらくなってしまいました。しかし3回目のプロジェクトは、商品を「THE WISDOM DOWN PARKA」に絞ることで、余すことなくこのプロダクトの良さを順序立てて説明することができました。
3回目のプロジェクトの起承転結
①プロダクトの開発秘話
②プロダクトの一番のポイントである収納力の説明
③RE:LORE™共通の特徴である「超撥水」についての説明
④デザイン、保温性、ディティールなどの説明
⑤日本製の生地、高品質ダウン、RE:LORE™専属の生産背景など事実に基づいた高品質の証明
⑥サステナビリティの追求(ブランド理念)
⑦リターンの説明
⑧過去実績、メディア掲載などの客観的な事実の紹介
⑨RE:LORE™のブランドコンセプトの紹介
⑩品質の一年保証についての説明
前半で商品の機能性(一番のポイント)をご説明し、生産背景のご紹介、具体的な数値(フィルパワーや、ダウン分量、型紙数など)に基づいた事実ベースの品質説明によって高品質を裏付けます。そしてサステナビリティなどブランド理念をご紹介することで、より深く共感を持っていただけるように構成を考えています。後半部分に過去の実績やメディア掲載など客観的な事実をご紹介することで、前半部分の説明に信憑性が増します。そして最後に圧倒的信頼の証である「品質の一年保証」で締め括ります。
c. 誤字脱字がない
これについては説明不要かと思います。誤字脱字があると不信につながり、誤字脱字がなければ信頼につながります。何十回も読み直し、誤字脱字だけではなく、日本語の使い方や、言い回しに不自然なところがないか繰り返し確認するようにしてください。私は一人でやっていますが、理想としては何人かで見直す方が効率的でオススメです。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
vol.5ではクラファンの必勝戦略③ランチェスター戦略についてご説明させていただきます。ご覧頂けると幸いです。
気になる点がございましたらLINE@やお問い合わせフォームからご連絡頂けると幸いです。
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よろしくお願い致します。
RE:LORE™ 川端 基幹