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RE:LORE™から学ぶ『クラウドファンディング』の成功と挫折
vol.5 ランチェスター戦略

RE:LORE™が考えるクラファンの必勝戦略とは!?

①下準備の徹底・・・vol.4参照
②成功の方程式を構成する3要素をブラッシュアップする・・・vol.4参照
③ランチェスター戦略・・・vol.5参照
④実践テクニック編・・・vol.6参照

③ランチェスター戦略

まずランチェスター戦略とは何かを簡単にご説明致します。この考え方は、フレデリック・W・ランチェスターというイギリスのエンジニアが第一次世界大戦のなかで提唱した「戦闘の法則」です。現在この法則はビジネス(経営)における有効な戦略として応用されています。

この法則が特に注目されている理由は、『弱者逆転の法則』と呼ばれるように弱者がどのように強者に勝つかということをわかりやすく説明している点です。

クラウドファンディングに挑戦するヒトはほとんどの場合、弱者だと思いますので『弱者が勝つための戦略』という角度から見ていきましょう。

『ランチェスター戦略における強者と弱者の定義』
強者・・・マーケットシェアが26.1%以上のダントツ1位のみ
弱者・・・マーケットシェア2位以下のすべて

※ランチェスター戦略上の強者の定義は、規模ではなくマーケットシェアを判断基準とする。

当然ですが、強者と弱者では戦略が異なります。
弱者 → 差別化戦略
強者 → ミート戦略(模倣による差別化の無効化)

『弱者のための5大戦法』

①局地戦(エリアや業種などを絞り込み、その中でシェア一位を目指す)
②一騎打ち(相手を絞って、集中的に攻撃する)
③接近戦(お客様に近い距離でサービスを提供するなど)
④一点突破主義(圧倒的な優位性を持った1つの商品やサービスで戦う)
⑤奇襲攻撃(スピード最優先で戦う。相手の油断しているところを攻め込む)

正直なところ弱者が強者に勝つ戦略は、正々堂々と言えるものではありません。しかし圧倒的戦力(大資本)を有した強者(大企業)に、弱者(スタートアップ、中小企業等)が正攻法では太刀打ちできないのです。

強者はその資本力を駆使して遠距離から攻撃してきます。遠距離からの攻撃は下記のようにランチェスター戦略で定義されています。

【方程式 | 遠隔戦】攻撃力 = 兵力数の2乗 × 武器性能

つまり遠隔戦(広域戦)の場合、兵力数(資本力)が自乗の関係で増加します。そのため弱者の兵力(2) VS 強者の兵力(100)とし、武器性能を同じ1とした場合、2対100ではなく、4対10,000の関係性になるということです。遠距離攻撃では絶対に弱者は強者に勝てません。

【遠隔戦・広域戦の具体例】
・テレビ広告、新聞広告等(マスメディア)・・・SNSの普及により影響力は年々弱まっていますが、まだまだ影響力は大きいです。
・全国的な販売網による大量販売(フランチャイズ展開、卸売りなど)

しかし接近戦になると下記のように変わります。

【方程式 | 接近戦】攻撃力 = 兵力数×武器性能

弱者と強者の力関係が前述と同じ条件の場合は、接近戦であれば2対100の関係になります。これでも強者に弱者は勝てませんが、遠隔戦よりはまともに戦えるようになりました。あとは武器性能を向上させれば、弱者でも強者と対等に戦えるようになります。仮に強者の武器性能が1であれば、弱者は武器性能を51にすることで、理論上50倍の規模の強者に勝てます。弱者は少ないリソースでいかに効率良く相手に勝つかという視点を持って、事業に取り組む必要があります。

『武器性能』 =『 商品やサービスの付加価値』

弱者は接近戦でかつ、圧倒的な付加価値のある商品やサービスを開発する以外に生き残る方法がありません。圧倒的な付加価値のある商品やサービスを創り出すためには、繰り返しになりますが「差別化」することが最も重要です。

『攻撃力』=『営業力』『売上力』など
『兵力数』=『資本力』『営業人員数』『顧客リスト数』など

『良い差別化』と『悪い差別化』

注意すべきは、自分の商品やサービスの本質を見極めた上で、差別化する必要があるということです。

悪い差別化の例を上げます。(良い差別化は下記の逆です。)
・簡単に強者にミートされてしまうような差別化(例:価格競争等)
・ニーズのない珍しさだけを優先した差別化

では上記の考え方をRE:LORE™のブランディングに当てはめてみます。

超撥水という極めてデリケートな機能性をリアルクローズに施した唯一無二の「SMART STREET WEAR」ブランドと自らを定義しています。現時点で同じコンセプトのブランドは存在していないという認識です。現に「撥水アパレル」と検索するとRE:LORE™が上位表示のほとんどを占めます。「超撥水加工」では長らく1位表示です。まだ確立されていない「撥水アパレル」というマーケットが、RE:LORE™における「局地戦」であり、「一点突破」でもあります。局地戦や一点突破は『SEO対策』としても有効です。

次に「接近戦」ですが、RE:LORE™はカスタマーサービスに特に力を入れています。ブランド運営を行う私が直接お客様のお声をお聞かせいただくので、商品開発にすばやく直結できます。そのお客様との親密な距離感がRE:LORE™の強みです。ブランド規模の拡大に伴い分業は必須ですが、現状はまだまだこの体制で対応していきます。

RE:LORE™では、「一騎討ち」や「奇襲攻撃」に該当するような戦略は行っていません。ライバルと戦うのではなく、できる限り戦いは回避する独自のブランディングを採用しています。例えば撥水であれば安価な商品もマーケットには多数存在します。それらの商品と戦うのではなく、撥水に+αの付加価値を複数持たせた独自のプロダクトを創ることで、同じマーケットで戦わないようにします。差別化された付加価値(+α)を生み出すためには、時間とコストを圧倒的にかけ、トライアル・アンド・エラーを繰り返す必要があります。

この時間とコストを圧倒的にかけて商品開発するというスキーム自体が、他では真似のできない『RE:LORE™独自の差別化』となっています。なぜ真似ができないかというと、一般的に効率的ではないからです。アパレルで商品開発する場合、サンプルの修正は、1型当たり数分〜長くても30分程度で終わります。それは毎月少なくとも50種類以上商品をリリースする必要があるため、物理的に1つの商品に時間をかけるということができないのです。また大手であれば商品開発費以外に、役員、経理、人事、法務など商品価値を直接生まない部門に対しても多額の費用が必要です。それらをすべて回収するためにも、時間をかけずに次々と商品開発していくことが求められます。

一方RE:LORE™は個人で運営しているため、無駄な経費がかかっていないので、納得できない商品を無理に創る必要がありません。そのためブランド理念である『作り手が本当に欲しいと思えるレベルのプロダクトのみを厳選してリリースする』ということが可能となります。作り手が本当に欲しいと思えるプロダクトを創るには、時間とコストが絶対に必要です。RE:LORE™であればサンプルができたら実際に長期的な着用検証を行い、その間洗濯も数回行います。このようにお客様目線に立って、約1カ月間徹底的に商品テストを繰り返します。長期的な商品テストは、費用対効果の面だけで考えると合理的ではないでしょう。しかし長期的な商品テストを行うことで、デザインだけではなく、機能面、素材の特性、着心地、使いやすさなど短時間の確認ではわからない点までしっかり検証することができ、結果としてRE:LORE™が追求している『長く愛用できるサステナブルなプロダクト』を創る最も合理的な方法になると信じています。

急いでつくった商品の大半は粗悪品ではないでしょうか。それはヒトがやることなので、当然のことであり、焦って良いことはひとつもありません。焦ると急ぐでは少し意味が違うと考えています。急いで商品をつくると、末端の現場では『焦り』が必ず生まれます。この『焦り』が人為的なミスを誘発し、品質低下を招きます。そのためRE:LORE™は十分な時間とコストをかけ、本当の意味でのクオリティファーストを目指しています。

昨今のアパレルは、QR(クイックレスポンス)と呼ばれる市場即応型の製造、流通システムを積極的に取り入れています。つまりマーケットで売れている商品をいち早くキャッチし、それを模倣した商品をできるだけ早く、自社で生産、販売するというスキームです。私はこのQRには未来がないと考えています。短期的な利益だけをみるのであれば、効果的だと思います。

しかし売れれば良いとだけ考えて生み出される商品にお客様を感動させるような魅力はあるのでしょうか。お客様に魅力を感じていただけない商品をつくるブランドに未来はあるのでしょうか、、、。

そうは言ってもまだまだ未熟なブランドですので、RE:LORE™には課題が多いです。しかし未熟ながらも、お客様に感動していただけるようなプロダクトを創るということに本気で取り組んでいます。このこだわり抜いたプロダクトが、RE:LORE™の唯一無二の最強の武器(差別化)であり、ブランドとして存在する意義だと考えています。

この戦略に基づき3年の月日をかけ、『THE WISDOM DOWN PARKA』が完成しました。このダウンジャケットは、定価55,000円(税込)もする高級アウターです。RE:LORE™のブランド知名度であれば、この価格帯の商品を販売することは非常に難しいです。しかし実際に累計で450着以上(約2,500万円分/消化率98%)販売させていただきました。ひとえに応援していただいているお客様のおかげです。誠にありがとうございます。またご購入いただいたお客様からは、お褒めのお言葉も多数いただいております。(レビューの一部ご紹介)応援のお言葉も多数いただいており、今後の活動の励みになっております。重ねて感謝申し上げます。このように一つの商品(THE WISDOM DOWN PARKA)にだけ全勢力を投入すれば、大手ブランドのアウターと同等以上の売上をつくることも可能です。

『差別化商品による一点突破』

戦わないことで、結果として成果を得るというRE:LORE™の戦略です。

甘いと言われるかもしれませんが、できる限り戦わず、他ブランドともWIN-WINの関係を築けるように今後もブランド運営をしていきたいと考えています。

【番外編】強者のためのミート戦略とは

ミート戦略とは、ライバルの商品を模倣して自社商品として販売することを指します。具体的には中小企業がつくった付加価値のある商品を、大企業がその大資本を使って模倣し、半額で大量に売るというような戦略になります。

強者の戦略であるミート戦略を弱者が使ってしまうと、、、。

弱者が、成功者(強者)を模倣して商品開発してしまうと失敗することが多いです。なぜなら同じ商品をつくる場合、資本力のある強者の方が様々な点で有利な構造になっているからです。しかし実際には大手の売れている商品を真似して、中小企業が類似商品を開発している事例が多く見られます。特にアパレルはトレンドがあるので、売れている商品を模倣することが頻繁に行われています。その結果ブランドが違うのに、店頭に並んでいる商品が似ているということが発生します。

類似商品は価格競争を招きます。

価格競争で勝てるのは資本力のある大企業(強者)だけです。なぜなら価格競争は我慢比べです。つまり資本力のない弱者は資金が底をつき、倒産してしまうのです。

価格競争による環境破壊

価格を下げるため、必要以上に大量生産を行ます。需要を大幅に超える供給は当然売れ残りを発生させ、セールやアウトレットでの販売、それでも売れ残ったモノは最終的に大量廃棄されます。一説にはアパレルでは生産した約半数を廃棄処分していると言われています。限られた資源の無駄使いであり、環境破壊に直結します。

実際に日本で年間33億着(約100万トン)、世界では3066億着(約9200万トン)の衣類廃棄が行われています。(衣服の1枚の平均重量300g換算)これは世界人口74億人として、1人当たり毎年40着以上の服を廃棄している計算になります。

RE:LORE™では上記を深刻な問題と受け止め、お客様から求められる本当に価値のある商品を適正な数量で生産、原則セールは行わず、長年愛用でき、お値段以上と感じて頂ける高品質なプロダクトのみを厳選、絶対に妥協しないモノ創りに本気で取り組んでいます。これらはブランド理念であるサステナブルな社会に貢献するという活動の一環です。今後もRE:LORE™は大量生産・大量廃棄のアパレル業界に警鐘を鳴らすべく尽力していく所存です。

最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

vol.6ではクラファンの必勝戦略の『④実践テクニック』をご説明させていただきます。ご覧頂けると幸いです。

気になる点がございましたらLINE@やお問い合わせフォームからご連絡頂けると幸いです。

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RE:LORE™ 川端 基幹